
ご存知でしょうか? ニューヨークの中心地区マンハッタンは東京の山手線の内側におさまるくらいの面積だということを。
ですから限られた滞在日数の中でもいろいろなところに行くことができます。
でもそういう弾丸ツアーよりも、ゆっくりとニューヨークの街を見てみたいと思う場合は、バスに乗ってニューヨークの街をめぐっていくことをおススメします。
バスと言っても観光バスではなく、ニューヨーク市の路線バスに乗るんです。
路線バスはコチョコチョ停まるので速度はノロいのですが、このスピードがちょうどいいんですよ。
だってニューヨークの街や人々の様子をゆっくりと間近に見ることができますからね。
しかもバスはニューヨーク市民の日常も垣間見ることができるので、暮らすようにニューヨークを旅することができますよ。
そこで今回は、ニューヨークの路線バスの乗り方と、バスならではの楽しみ方をご紹介します。
Contents
ニューヨークの路線バスに乗る前に知っておきたいこと
ニューヨークの路線バスは、地下鉄と同様にMTA(The Metropolitan Transportation Authority)という公共交通機関が運営していて、マンハッタン、ブルックリン、ブロンクス、クイーズ、スタテンアイランドの5地区を走っています。
バス路線は地下鉄よりもずっと細かいところまで張り巡らされているので、自家用車を持ってない市民にとっての大切な移動手段となっています。
特にご年配者や親子連れ、ベビーカー、車椅子、歩行器の利用者には、バスは欠かせない存在です。
地下鉄にはエレベーターやエスカレーターがほとんど設置されていませんが、すべての路線バスには昇降階段を低くする装置と、車椅子のリフトが備えてあるからです。
ただし、路線バスでの移動には時間がかかることを覚悟しておかなければなりません。
ニューヨークの慢性的な交通渋滞の中を運行していますし、2、3ブロックごとの短い間隔で停まりますし、乗客も多く混み合うため、どんどん遅れてしまうからです。
だから急いでいるとか、時間に間に合うように目的地に行きたい場合は地下鉄に乗りましょう。
また、バスも地下鉄と同様に深夜も運行していますが、0時を回ったら乗らないでくださいね。
ニューヨークはバスも地下鉄も一律料金
ニューヨークの路線バスの料金は地下鉄と同じく2.75ドルの一律料金で、運賃はメトロカードもしくは現金で支払えます。
しかし現金はコインのみ、しかもペニー(1セントコイン)は受付てもらえませんし、釣銭ももらえません。
だから現金で払うとなると、1ドルコインを2枚とクオーター(25セントコイン)を3枚、またはクオーターを11枚も用意しなければならないので、メトロカードを用意しておくのが絶対にいいです。
ただし、メトロカードはバスの車内で販売していませんし、チャージもできません。
バスや地下鉄を乗りこなしてニューヨーク観光をするつもりなら、絶対にメトロカードを持っているのが便利ですので、ニューヨーク観光を始める前に真っ先にメトロカードを買っておきましょう。
メトロカードの買い方については以下の記事を参考にしてくださいね。
バスの路線図を手に入れよう
路線バスに乗る前に是非とも前もってバスの路線図を手に入れておいてください。
旅行ガイドブックに載っているかもしれませんが、ニューヨークのバスも地下鉄もコロコロと路線が変わったり運休になったりするので最新版をダウンロードしておきましょう。
ブルックリンなど他の地区の路線図が欲しい場合は、MTAの公式ホームページからダウンロードしてください。
MTA(The Metropolitan Transportation Authority)公式ホームページ・Map
バスの乗り方
メトロカードと路線図を用意したら、まず今、自分がいる所の最寄りのバス停と、目的地の最寄りのバス停を調べましょう。
では、さっそくバス停に行ってみましょう。
バス停留所はどこにあるか?目印はバスのマーク
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バス停留所にはバスの絵が描いた丸い板のついたポールが立っていて、路線番号・始点ー終点・停車場名が書いてあります。
上の画像は、Q16路線・フラッシングージャマイカ・「ユニオンストリート&33アベニュー」のバス停留所です。
Qというのはクイーンズ地区を走るバスのことで、他の地区を走るバスにはそれぞれのイニシャルがついています。
M=Manhattan
B=Brooklyn
Bx=Bronx
Q=Queens
S=Staten Island
ちなみにバスのイラストの下に書いてある”NO STANDING“とは、一般車両は「駐停車禁止」ということです。人に対して「ここに立つな!」と言っているわけではありません。
バスの停留所では以下のことに注意しましょう。
地下鉄と同様に、バスの行く方向に注意する必要があります。
バスの路線図をよく見て、路線上に表示された矢印の方向を確認してください。
矢印がついている道路は一方通行なので、同じ路線番号でも別々のアベニューを通っているからです。
双方向の道路の場合は、矢印がついていません。
アメリカでは車が右側通行ですから、行きたい方向の道路の右側で待っていましょう。
一つのバス停に複数路線のバスが停まる場合がありますから、バスが近づいてきたら正面に表示されている路線番号と行先を確認しましょう。
なお、NOT IN SERVICEは回送という意味です。
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Limited Stopと書いてあるバスはいくつかの停留所をスキップします。
同じ路線でも時間帯によってLimited Stopになりますので、停留所案内板で確認するか、バスの運転手さんに尋ねてください。
バスに乗り込む・料金を払う方法
ニューヨークのバスは入口からも降車できるようになっていますから、降車する人たちを優先させてください。
バスに乗り込むと、運転手の横に料金入れがあります。
コインを入れるか、メトロカードの場合は「MetroCard」と書いた面を自分の方向に向け、磁気の帯が自分の側に来るようにして差込口に入れてください。
そのまま待っていればメトロカードが自動的に押し出されますから忘れずに受け取ってくださいね。
バスを降りるときにすること
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次に停まる停車場名は車内の電光掲示板とアナウンスで示されます。
車内のつかまり棒についているStopボタン、または窓と窓の間に縦に黄色いベルトがありますのでそれを押してください。
認識すると車内に「STOP REQUESTED」という表示が出ます。
危ないので走行中に出口へ移動せず、バスが停まったら出口へと歩きましょう。
ご年配の乗客が多いからか、バスはすぐに発車しようとしませんので出口へ急いで行かなくても大丈夫です。
ただし出口のドアの前で突っ立っていても開きません。
ドアにタッチして押すことで開けることができます。
乗り換えの仕方
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Pay-per-ride MetroCardを持っていれば、バスからバスへ、バスから地下鉄へ1回だけ無料で乗り換えができます。
Unlimited Ride Metrocardなら何回でも乗り換えできます。
現金で支払った場合は、運転手に”Transfer please.”と言えば、乗り換え用のメトロカード(Transfer Slip)をもらえます。
最初から乗り換えるつもりなら、乗り込むときにもらっておきましょう。
あとから乗り換えを思いついた場合は、降りるときに運転手のところへ行って、”Transfer please.”と言えばもらえます。
路線バスで観光を楽しむ方法
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ニューヨークの街を走る路線バスは時間通りに来ないし、道路は常に渋滞しているからなかなか進まないし、2、3ブロックごとにコチョコチョ停まるので、ホントにノロノロしています。
でもそのノロノロを利用して路線バスでニューヨーク観光を楽しむことができるのです。
しかもバスは治安の面では地下鉄よりも安全なので安心していられます。
それでは路線バスでのんびりとニューヨーク観光を楽しむ方法を紹介しますが、必ずUnlimited Ride MetroCardを用意してくださいね。
ニューヨークの街をバスで北上してみる
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路線バスのノロノロ・スピードは、ニューヨークの街や店、歩いている人たちを眺めるためにはちょうどいい速さです。
バスで道路を移動していくとマンハッタンが地域によってキッチリと棲み分けられている様子が良く分かります。
バスの車窓から街や人々の様子がどんどん変わっていくのを見るのはとても面白いですよ。
たとえば、マンハッタンの最南端から最北端へ路線バスを乗り継いで行ってみましょうか。
まず、最南端のSouth FerryバスターミナルからM55のバスに乗ってマンハッタンを北上します。
ロウワー・マンハッタンから、ワールド・トレイド・センター、トライベッカ、SOHO、グリニッジ・ビレッジ、チェルシー、ファッション街などを通って北上します。
そしてミッドタウンのニューヨーク公共図書館でいったん降り、42 STREETを西方向に歩いて、8TH AVENUEでM20またはM104のバスに乗り換えてCOLUMBUS CIRCLE(コロンバス・サークル)で降ります。
そこから今度はM10に乗り換え、W125 STREETというハーレム地区まで行き、M100のバスに乗り換えて北上していくと最北端のW215 STREETに行き着けます。
ニューヨークの街をぶらり路線バスの旅
バスに乗っていると街や人の様子がよく見えるので、”面白そうだ”と思うものを見つけたら、降りてみましょう。
通り過ぎてしまっても次の停車場は2、3ブロック先ですからちょっと戻ればいいだけです。
「ぶらり路線バスの旅」的に”ここらへんで降りてみようかな”なんてこともできます。
そこらへんを散策して、歩き疲れたらまたバスに乗っちゃうのです。
ガイドブックには載ってない意外な出会いがあるかもしれませんよ。
夜のセントラルパークを見たいならCROSSTOWNバスに乗ろう
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マンハッタンの路線バスは縦に南北を走る路線と、東西を横に走る路線があり、東西を横断するバスはCROSSTOWNと呼ばれています。
このCROSSTOWNバスは数個の路線がありますが、セントラルパークを横断していくCROSSTOWNバスにぜひ乗ってみてください。
路線番号でいえば、M72/M66, M79, M86, M96/M106です。
特に夜間に乗るのをおススメします。
というのは、夜間のセントラルパークは治安が悪いので立ち入らないでほしいのですが、CROSSTOWNバスに乗れば夜間のセントラルパークに安全に立ち入ることができるからです。
バスの窓から見るだけでもなかなか素敵な雰囲気を味わうことができますよ。
ニューヨーク路線バスの乗り方 まとめ
いかがでしたか。 今回はニューヨーク市民の足となっている路線バスを観光を楽しむために乗りこなす方法をご紹介しました。
ノロノロと走るバスだからこそ、のんびりとニューヨークの街と人の様子を見て楽しむことができます。
路線バスでニューヨークに暮らしているかのように旅してみませんか。
- Unlimited Ride MetroCardとバス路線図を用意する
- 路線番号と行先を調べたら、バス停に行き、バスの進行方向を確認のうえバスを待つ
- バスが来たら、路線番号と行先を確認して乗り込む
- Limited Stopのに注意
- 降りたい場合はStopボタンでリクエスト
- 出口ドアは自分でタッチして押し開ける
なお、バスは地下鉄に比べて治安がいいのですが、0時を回ったら乗らないでくださいね。