
”ニューヨークの地下鉄は危険だから乗ってはいけない”という「言い伝え」は日本人の間でまだ根強く残っているようですが、それは前世紀のお話しです。
ニューヨークの地下鉄はかなり安全になりました!
落書きされた車体はすっかりと消えて無くなり、ニューヨーク市民の足として普通に利用されていますから、真夜中に乗ったり、車内で居眠りでもしない限りは大丈夫なんです。
何しろ地下鉄の路線はニューヨーク市内の隅から隅まで張り巡らされていて、どこまで行っても片道2.75ドル!
こんなに安い地下鉄を利用しないでニューヨーク観光するのはもったいないです!
そこで今回は、2019年4月21日に改定された料金に対応したニューヨークの地下鉄のお得な乗り方、そして新しく導入された料金支払い方法について説明しますね。
Contents
ニューヨークの地下鉄は一律料金
ニューヨークの地下鉄とバスはマンハッタン、ブルックリン、ブロンクス、クイーズ、スタテンアイランドの5地区すべてを縦横無尽に走っている便利な公共交通機関
The Metropolitan Transportation Authority(MTA)という組織が経営していて、
切符はなくて、メトロカードという磁気ストライプのカードで乗車します。
バスでは現金でも支払えますが、コインのみしか受け付けてもらえないし、両替もしてくれないし、お釣りも出ませんからメトロカードを持っていた方が断然便利です。
それでは、地下鉄料金をお得にするメトロカードの買い方から説明していきますね。
どのメトロカードを買ったらいいの?
メトロカードは主に以下のものがあります。
- Pay-Per-Ride Metrocard
「ペイ・パー・ライド・メトロカード」
(都度払い乗車)
片道1回2.75ドル - Single ride Metrocard
「シングル・ライド・メトロカード」
(1回乗車)
3ドル - 30-Day Unlimited Ride Metrocard
「サーティデイ・アンリミテッド・ライド・メトロカード」
(30日間乗り放題)
127ドル - 7-Day Unlimited Ride Metrocard
「セブンデイ・アンリミテッド・ライド・メトロカード」
(7日間乗り放題)
33ドル
ニューヨーク観光におススメするのは1番か4番のどちらかです。選ぶ基準は利用頻度です。
ニューヨーク滞在中に地下鉄かバスを
- 11回以下であれば「ペイ・パー・ライド・メトロカード」
- 12回以上利用するのであれば「セブンデイ・アンリミテッド・ライド・メトロカード」
がオススメです。
それぞれ説明しますね。
なお、2番の「シングルライド メトロカード」は1回こっきりしか使えないタイプのカードなのに料金は3ドルですから使い勝手がよくありません。でも、ニューヨークで地下鉄かバスには1度しか乗るつもりはないとか、地下鉄とバス間の乗り換えはしないとか、いちいち買うのが面倒ではないというのならこれで良いと思います。
Pay-Per-Ride MetroCard「ペイ・パー・ライド・メトロカード」の特徴と使い方
ニューヨークの滞在期間が3日以内で、地下鉄やバスの乗車回数が11回以下になりそうなら、
Pay-Per-Ride MetroCardを買いましょう。
Pay-Per-Ride MetroCardの料金
まずメトロカードのちょっとしたオキテを説明しますね。
(1)新しくPay-Per-Ride MetroCardを買う場合はカード料金として1ドルかかります。(カードが不要になってもこの1ドルは払い戻しされません。)
(2)最低5.50ドルから80ドルまでのカードを買うことができます。
(3)カードには使用期限があり、期限が切れると残高は消滅します。
さて、最初にいくら買っておけばいいのでしょうか?
たとえばニューヨークに3泊するとして、ホテルからどこかへ行って帰るだけでも1日少なくとも2回地下鉄に乗ることになるのですから、とりあえず6回分を買っておくというのはどうでしょう?
2.75ドルx6回+1ドル=17.5ドル
とりあえず17.5ドルでPay-Per-Ride MetroCardを買っておき、足りなくなりそうだと思ったらその都度2.75ドルの倍数をチャージしていけば無駄がでません。
下記の方程式を参考にしてください。
自動販売機での買い方は後で詳しく説明しますね。
乗り換え無料
Pay-Per-Ride MetroCardは、地下鉄からバスへ、バスから地下鉄へ、バスからバスへのいずれか1回だけ無料で乗り換えできます。(自動的に無料になるので、乗り換えの際に手続きは不要です。)
ニューヨークの街歩きをするにおいては、この機能はとても助かるんですよ。
たとえば、地下鉄に乗って南北を移動して、バスに乗り換えて東西を移動するなんてことを1回分の料金でできるのですからね。
1枚で4人まで利用できる
Pay-Per-Ride MetroCardは1枚のカードで4名まで利用可能なので、家族連れとか友達同士で移動するときに便利ですよ。
使い方は、最初に人数分を改札turnstile(ターンスタイル)に通してから、一列に並んで入場します。
ただし、メトロカードの磁気の感度はあまり良くないので失敗する可能性がありますからご注意ください。
また、いつも一緒じゃなく別行動もしたいという場合はやっぱりそれぞれのカードを持った方が便利です。
地下鉄やバス以外の乗り物でも使える
Pay-Per-Ride MetroCardはニューヨーク市内の地下鉄やバス以外の以下の乗り物でも使えます。
ただし、運賃は一律料金ではなくそれぞれ違いますのでご注意ください。
- New Jersey PATH trains「ニュージャージー・パス・トレインズ」:マンハッタンからニュージャージー州をつなぐ電車。
- Staten Island Railway「スタテンアイランド鉄道」:スタテンアイランドのフェリーに無料で乗船可能。
- Roosevelt Island Tram「ルーズベルト・アイランド・トラム」:マンハッタンからルーズベルト島を結ぶトラム(ロープウェイ)。ニューヨークを上空から見下ろせるため観光客に人気がある。映画「スパイダーマン」にも登場したトラム。
- JFK AirTrain(JFK空港トレイン):ニューヨークの地下鉄とJFK空港とをつなぐ電車。Howard Beach line(ハワード・ビーチ線)に乗り、Howard Beach(ハワード・ビーチ駅)で地下鉄のAトレインに乗り換えるとマンハッタンへ行ける。
7-Day Unlimited Ride Metrocard「セブンデイ・アンリミテッド・ライド・メトロカード」の特徴と使い方
ニューヨークの滞在期間が3日以上で、地下鉄やバスの乗車回数が12回以上になりそうなら、
7-Day Unlimited Ride MetroCardが断然お得で便利です。
7-Day Unlimited Ride MetroCardの料金
7-Day Unlimited Ride MetroCardの料金は
33ドルを1回分の乗車賃2.75ドルで割ると、12回ですよね。
たとえば、地下鉄で1日1往復するなら1週間で14回は乗るわけですので、少なくとも2回分はお得になります。
乗り降り、乗り換えが無制限
Pay-Per-Ride MetroCardは乗り換えが無料になるのは1回だけ、しかも2時間以内という制限がありましたが、7-Day Unlimited Ride MetroCardはそんな制限はありません。
7日間以内という期限さえ守れば、地下鉄もバスも何回でも乗り換えでき、何度でも乗り降りしていいのです。
使えば使うほどお得ってことですね。
ですから「ぶらり途中下車の旅」みたいに、降りてみたいところにふらっと降りて観光してみるなんてことができます。
マンハッタン内を通行するバスは2ブロックごとに停留所があるので、歩き疲れたときとか荷物が多くなった時にバスに乗るなんてことも運賃を気にせずできますよ。
メトロカードの買い方を詳しく解説
ニューヨーク観光の方へおススメしたいのは、ニューヨークに到着したらなるべく早くメトロカードを買いに行くことです。
どのメトロカードを買うかを決めたら、さっそくメトロカードを買ってその足で出かけましょう!
しかし、メトロカードの買い方はちょっと難しいですから、時間に余裕を持って出かけてくださいね。
さて、メトロカードは地下鉄の駅の窓口またはメトロカード販売機(MetroCard Vending Machine)で売っていますが、どちらかと言えば自動販売機で買う方をおススメします。
なぜなら、窓口では現金しか受付てませんし、50ドル札と100ドル札の使用が制限されていますから面倒です。
それに窓口の係はたいてい不愛想だし不親切なのでやっぱり自動販売機がいいと思います。
メトロカード販売機の使い方
不愛想で不親切な窓口の人とのやり取りをさけたものの、ハッキリ言って、メトロカードの自動販売機は分かりにくいし使いずらいですから、なるべく分かりやすいように細かく説明しますね。
MetroCard Vending Machine(メトロカード自動販売機)では新規カードの購入とチャージ(Refill)ができます。
大きな販売機では現金とクレジットカードが使えますが、小さな販売機では現金が使えませんのでご注意ください。
最初に注意しておきますが、購入した後にレシートを必ず受け取っておいてくださいね。紛失した時に役に立ちますし、いくらチャージしたかを確認するときに便利ですから。
7-Day Unlimited Ride MetroCardの買い方
自動販売機の画面はタッチパネルです。タッチすれば次の画面に進んで行きます。
下記のような順番で英語が画面に表示されますので、この説明通りにタッチしてください。
分からなくなったらいつでもBackをタッチして戻してください。キャンセルして一番初めからやってもいいです。何度やり直しても大丈夫ですから焦らないでくださいね。
(1) Start(Startボタンをタッチする)
(2) Choose Language(言語を選ぶ)⇒ English
残念ながら日本語が選択できる機械はタイムズスクエアなどの大きな駅にしかないようです。なのでEnglishをえらんでください。
(3) Please select MetroCard type.(メトロカードの種類を選択する)
- Fast $9 MetroCard「9ドルのメトロカード」=とにかくペイ・パー・ライド・メトロカードを素早く買いたい場合はこちらが便利。*2019年2月にメトロカードのBONUS(ボーナス)制度は廃止されました。
- MetroCard=自分の好きな額で「ペイ・パー・ライド・メトロカード」を買う場合、もしくは「アンリミテッド・ライド・メトロカード」を買いたい場合
- Single ride Metrocard=1回こっきりの乗車券
MetroCardにタッチする
(4) Please select transaction
チャージ(Refill)するのか新しくメトロカードを買うのかを選ぶ画面です。
- Refill your card(チャージする)
- Get card info(カード情報)
- Get New Card $1fee applies(カードを新規購入 カード代1ドル)
Get New Cardを選びます。
(5) What type of MetroCard?(どちらのタイプのメトロカードですか?)
- Regular MetroCard(ペイ・パー・ライド・メトロカード)
- Unlimited Ride(乗り放題カード)
Unlimited Rideを選びます。
(6) Which unlimited ride?(どの乗り放題カードですか?)
- 7-Day (7日間乗り放題)
- 30-Day (30日間乗り放題)
- 30-Day XBus Pass(急行バス30日間乗り放題)
7-Dayを選びます。
(7) How do you want to pay? (支払方法は?)
- Cash(現金)
- ATM Card(ATMカード)
- Credit Card(クレジットカード)
CashまたはCredit Cardを選ぶ
現金の場合は、INSERT BILLS FACE UP(札の表を上にして差し込む)の差込口から、お札の顔がある面を上にして差し込んでください。
クレジットカードの場合はクレジットカード用の差込口に表面を上にして、裏面の磁気のある黒い線が左側になるようにして差し込んでください。
なお、クレジットカードで購入のときにzip code(郵便番号)を入力するように指示されます。アメリカ国民でない場合は、 “99999” と入力してください。
Pay-Per-Ride MetroCardの買い方
Pay-Per-Ride MetroCardを買う場合は、上の(3)の段階でFast $9 MetroCard「9ドルのメトロカード」を選んでください。
これだと3回しか乗れませんので、もっと乗りたいという場合は、
(3)のところでMetroCardにタッチ
(4)でGet A New Card
(5)と(6)を以下のように変えます。
(5) What type of MetroCard?(どちらのタイプのメトロカードですか?)
- Regular MetroCard(ペイ・パー・ライド・メトロカード)
- Unlimited Ride(乗り放題カード)
Regular MetroCardを選びます。
(6)What amount do you want?(いくら支払いますか?)
ここでは決まった額面のカードから選ぶか、Other Amountsでカードの金額を指定します。
*2019年2月にメトロカードのBONUS(ボーナス)制度は廃止されました。
もっと詳しく説明
- ”Reduced-Fare MetroCard”というのは居住者で特別な条件のもと発行される料金割引カードです。観光客には購入できません。
- 現金払いでの釣銭は9ドルまでで札ではなくコインの釣銭になります。(ということは50ドルとか100ドルの大きなお札をここで崩そうとは思わないでください。)
- 購入後にレシートが発行されます。紛失した際とか何かあったときのためにとっておきましょう。
- 購入途中で問題があった場合は、自動的に機械の番号や日付などが印字されたレシートが発行されます。購入しようとした証明になりますので取っておいてください。
- クレジットカードで購入のときにzip codeを入力するように指示されます。アメリカ国民でない場合は、 “99999” と入力してください。
Refill(レフィル)=「チャージ」の仕方
日本でいうチャージ、つまり残高を追加することをrefill(レフィル)といいます。
地下鉄の駅窓口もしくはメトロカードの自動券売機でレフィルができます。
また、使用中のPay-Per-Ride MetroCardのままで、7日間か30日間乗り放題カードに変えることもできます。
この場合カードに残高があればそのまま残され、乗り放題の有効期限が切れ次第、残高から運賃が引き去られるようになります。
カード残高や使用期日の確認方法
カードの残高の確認方法は2通りあります。
1.改札turnstile(ターンスタイル)を通るとき
上記の写真は地下鉄の改札turnstile(ターンスタイル)ですが、ここにカードを通すと、今、引き去られた金額と残高が表示されます。
*Unlimited cardの使用期限は示されません。
2.駅のMetroCard reader または窓口のStation Booth reader
それぞれの駅にMetroCard reader(メトロカード・リーダー)または窓口にStation Booth reader(ステーション・ブース・リーダー)がありますのでそこにカードをスライドさせます。
Unlimited Metrocardなら使用期日とカードの有効期日が表示されます。
Pay-Per-Ride MetroCardなら、残高とカードの有効期日が表示されます。
MetroCard reader

新しい支払い方法OMNY
OMNYとは、2019年の5月から導入されたばかりのキャッシュレス料金支払いシステムです。
スマホやクレジットカード、銀行カード、またはApple Watchのようなウェアラブル端末を改札でかざして運賃を支払うシステムです。
現在のところ、地下鉄の4、5、6番路線の「グランドセントラル」駅から「アトランティック・アベニュー・バークレー・センター」駅の改札にてと、スタテンアイランドの全バス路線だけで導入していますが、2023年までには地下鉄、バス、通勤電車のすべてに導入を目指しているそうです。
使用するためには登録が必要となります。
ただし、今のところPay-Per-Ride MetroCardのように地下鉄の一律料金2.75ドルをその都度決済する機能だけで、Unlimited Ride MetroCardのような乗り放題機能はないそうです。
ですから観光客にとっては7-Day Unlimited Ride Metrocardの方がお得だと思います。
ニューヨークの地下鉄の料金 まとめ
いかがでしたか?ニューヨークの地下鉄料金は一律で2.75ドルですが、うまく利用すればすごくお得にニューヨークを観光することができます。
地下鉄は安全になりましたから、ニューヨーカーのように気軽に地下鉄を利用してくださいね。
- ニューヨークの地下鉄とバスは片道2.75ドルの一律料金
- メトロカードを利用するのが便利でお得
- ニューヨーク滞在中に地下鉄かバスを12回以上利用するのであれば「セブンデイ・アンリミテッド・ライド・メトロカード」がオススメ
- 11回以下であれば「ペイ・パー・ライド・メトロカード」がおススメ
参考サイト:
https://new.mta.info/
https://queenseagle.com/all/2019/2/27/mta-say-goodbye-to-the-metrocard-bonus-but-transit-fare-will-stay-the-same
https://www.nycsubwayguide.com/subway/metrocard.aspx