ニューヨークのチップ・マナー:どこで、だれに、どのくらい渡せばいいの?

チップ(tip)もニューヨークを訪れるなら覚えておくべきマナーの一つなのですが、日本ではチップの習慣がないので戸惑いますよね。

いつ、どこでチップが発生して、誰にいくらくらい渡したらいいのでしょうか?

そこで今回はニューヨーク観光の悩みの一つ、チップのマナーについてご説明いたします。

チップというマナーについて

チップとは、ホテルやレストランなどのサービスにおいて、既定の料金とは別に、そのサービスを受けた相手に渡す現金のことです。

欧米ではチップはマナーですが、日本人は違和感を持ちます。だって日本では何かをしてくれた人に現金を渡すなんてことは日常で行われていませんし、ともすれば失礼になりますから。

チップの日本語訳は「心づけ」とか「ご祝儀」と言います。そのことからも人に現金を渡すことは日本では特別なことと考えられているのだと思います。

だから私もレストランで食事をするというような日常的な場面で「心づけ」を渡すことは、余計なお金を支払っているようでもったいないと思いました。

けれども、チップはアメリカのマナーだから仕方がないと思ってチップを払っていました。

でも私がニューヨークに暮らしてみてチップの意味が分かり、考え方が変わりました。

サービス業の人たちにとってはチップも大切な収入源だということを知ったからです。

チップの慣習のある国では、お客さんからチップをもらえることが前提とされているので、サービス業の人の賃金が低く設定されているのです。

アメリカが定める連邦最低賃金7ドル25セントであるが、レストランではチップが給与の一部とみなされているため、レストランでチップをもらう従業員の最低時間給は2ドル13セントとしている。

(出典:Wikipedia)

ですからレストランのウエイター/ウエイトレスは、精一杯のサービスを施してチップをたくさんもらおうとするわけです。

まずお客さんに挨拶をして自分がこのテーブルの担当だということを伝えて、にこやかにおすすめ料理の説明をします。

お客さんが高い料理を注文してくれたり、たくさん飲み食いしてくれればチップも増えますからね。

お客さんからのちょっとわがままな要望、たとえば、”玉ねぎを抜いて”、”パンをライ麦パンに変更して”、”温め直して”、”持ち帰りたい”などにも笑顔で応えます。

一方、お客さんはそのサービスの良しあしを評価してチップを渡します。

ということは、店員さんたちはつねにお客さんから自分たちの態度やサービスを評価されていて、その評価によって収入額が変わるということになります。

すなわちチップは店員さんのおもてなし力を向上させることができる制度とも言えます。

日本のように店員さんの賃金が働く時間などを基準に決められていて、その人のサービスがよかろうが悪かろうがその賃金に変わりがないという制度とまったく違うわけです。

チップにはそういう背景があることを知ってから、私はチップに対する考えが変わりました。

まず、チップを払うのはもったいないと考えたことは間違っていると思いました。

また、チップの額を相場通りにしなくてもいいのではと思いました。

たとえば、レストランでは食事代金の15%~20%が相場ですが、アメリカ人の友人たちは店員のサービスが悪ければ下げてもいいし、良ければ上げてもいいと言います。

レストランでは料理に対しての代金と、もてなしてくれた人へのお礼金も含めた額がレストランでの食事代と考えることができるのではないでしょうか。

お食事だけではなくサービスも一緒に買うという考え方です。

ですから料理だけではなく、サービスに対してもっと注文をつけてもいいと思います。期待通りのサービスがなければチップの金額で表したらいいのではと思います。

お店を選ぶときも、お客さんを満足させるためにもてなしに努力を惜しまない、高いプロ意識をもって働いている店員さんがいることを基準にすることができますね。

チップがあるおかげで、料理もサービスの質も上がっていくのならチップは素晴らしいマナーだと思います。

ニューヨークにおけるチップの相場とチップの渡し方

それでは具体的には、どこで、誰に、いくらチップを渡すのでしょうか?

ここでは、ニューヨークで観光客が出くわす場面別にチップの相場と、渡し方についてご説明いたします。

まず、チップとは、誰かから何かのサービスをしてもらったときその相手に渡すものです。

金額はその場面とサービスによって違います。

なお、チップをすぐに渡せるように、両替のときに1ドル札を多めにし、さらに1ドル札だけすぐに取り出せるようにしておくことをおススメします。

そうでないと、10ドル札しかなくて、泣く泣く高額なチップを渡すことになりますよ。

また、チップをコインでじゃらじゃら渡すのは失礼です。

タクシーへのチップ

空港を降りたら、まずはホテルに向かう方が大半だと思いますが、市内までタクシーに乗る場合はさっそくチップが発生します。

日本からの国際線の場合、たいていはJFK空港におりますが、JFK空港からニューヨーク市内までのタクシー料金は定額料金制が採用されています。

マンハッタンまでの料金は一律55ドルとなってます。それに通行料が加えられた額を請求されますので、トータルの料金からチップを計算してください。

チップはトータル料金の18%です。

荷物が多い場合は多めに支払いましょう。

チップを現金で渡す場合は、2通りあります。

(1)トータル料金を支払ってお釣りをもらい、あらためてチップ相当分を現金で渡す。

チップを計算して1ドル未満の端数がでたら繰り上げましょう。コインを混ぜて渡すのは失礼です。
(2)最初からチップの額を上乗せして全額お札で支払う。そのとき、お釣りはいりませんと言う。
   “Please keep the change.”

 

クレジットカードで支払う場合は、チップも含めていくら払いますと言ってください。または、料金だけをクレジットカードで払い、チップを現金で渡すこともできます。

ホテルでのチップ

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ホテルに着いたら、さっそくチップを渡す場面になりますので、1ドル札を何枚か手元に用意しておきましょう。

  • 部屋に荷物を運んでもらったら、1個につき1ドル。
  • タクシーをつかまえてくれたら、1ドル。
  • 部屋に届け物をしてくれたら、1ドル。
  • ルームサービスを頼んだ時、料金の10%~15%。
  • ルームメイドに対して1泊につき2ドル。

基本的に何かをしてもらったらチップを渡すということを覚えておいてください。

コンセルジュに何かの手配を頼んだら、その難易度に応じてチップを渡してください。

たとえば、人気のあるレストランの予約、ミュージカルやショーなどのチケットの手配、ツアーの手配などその手配が大変かどうかによって10~30ドル以上を渡します。

なお、道を尋ねる程度なら渡さなくていいです。

レストランでのチップ

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レストランでは、ウエイター/ウエイトレスは各自、自分の担当するテーブルが決まっています。

担当の店員さんに対して、伝票の合計額(税金加算前)の15%~20%のチップを渡してください。

ニューヨーカーは「ダブル・タックス」という計算のやり方をしていました。つまり、合計額に加算された税金額を2倍にするというやり方です。

ニューヨーカーのレストランの税金は約8%ですので、それを2倍した16%をチップとして払うことになります。

ワインソムリエには、ボトル料金の15%をチップとしてその場で渡してください。

レストランでの会計はテーブルについたままで清算します。レジに行かないでください。

チップの渡し方は2通りあります。

どちらにしてもまず、担当のウェイター/ウェイトレスに「お会計をしてください」と言います。

“Check please.”

①伝票の額を先に清算します。ウェイター/ウェイトレスがお釣りを持ってきてくれますのでまずそれを受け取って、あらためてチップの現金をテーブルの上に置きます。

(ウェイター/ウェイトレスその場を去ってしまってもチップをテーブルの上に置いたまま店を出てください。ウェイター/ウェイトレスを待つ必要はありません。)

②伝票の金額にチップを加えた額を差し出して、「おつりはどうぞお受け取り下さい」と言って店を出ます。

“Thank you. Please keep the change.”

サービス料としてチップが含まれている場合もある

なお、レストランによってはチップをサービス料としてすでに伝票に加算しているところもあります。

私の見たところ日本人観光客が多い店はそういうところがあります。

合計額のあたりに、Gratitudeと書いてあったらチップが加算されているということです。

割り勘のときチップはどうする?
割り勘のときに最も分かりやすい方法は、伝票を分けてもらうことです。
オーダーする際に、こう言ってください。
“Separete check, please.”

サービスを受けたらチップを渡すのがマナー

他にも以下のようなサービスを受けたときにチップを渡してください。

  • クローク(コートチェック)・・・レストランや劇場などでコートや荷物を預けた場合。1アイテムにつき1ドル。
  • フード・デリバリー・・・・ホテル以外の場所で食事の出前を頼んだ時、料金の10%~15%程度。
  • 観光バス・・・ドライバーとガイドにそれぞれ1ドル~10ドル程度。
  • 美容院・・・スタイリストに料金の20%以上、シャンプーの係には5~10ドルくらい。
  • スパ、ネイルサロンなど・・・料金の15%~20%。

でもチップを支払うべきか分からない場面では、チップは感謝を表すものですので、躊躇せずに渡してください。

金額は上の場面を参考にしていただければ問題ないと思います。

まとめ

いかがでしたか。チップの習慣がない日本人にとっては、ちょっとめんどくさい”ニューヨークのマナー”と思ってしまうかもしれませんね。

でもチップはサービスをしてもらった相手に対して感謝を伝えるための素晴らしい”思いやりマナー”だと思います。

感謝を表すためのチップをスマートに渡せるよう、場面とチップの相場をリストにまとめますね。

  • ホテル:部屋に荷物を運んでもらったら、1個につき1ドル。
  • ホテル:タクシーをつかまえてくれたら、1ドル。
  • ホテル:部屋に届け物をしてくれたら、1ドル。
  • ホテル:ルームサービスを頼んだ時、料金の10%~15%。
  • ホテル:ルームメイドに対して1泊につき2ドル。
  • ホテル:コンセルジュに何かの手配を頼んだら、難易度に応じて10~30ドル以上。
  • レストラン:ウエイトレス/ウエイターに食事料金の15%~20%。
  • レストラン:ワインソムリエにボトル料金の15%
  • タクシー:料金の10%~15%。荷物が多い場合は多めに払う。
  • クローク(コートチェック):レストランや劇場などでコートや荷物を預けた場合。1アイテムにつき1ドル。
  • フード・デリバリー(食事の出前)を頼んだ時、料金の10%~15%。
  • 観光バスのドライバーやガイドに1ドル~10ドル程度。
  • 美容院:スタイリストに料金の20%以上、シャンプーの係には5~10ドルくらい。
  • スパ、ネイルサロン:料金の15%~20%。

チップもニューヨーク観光の面白さの一つ、チップを渡すことで相手とのコミュニケーションを楽しんでくださいね。

 

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