
皆さんはこの新型コロナウィルスの感染が拡大するさなか、食事はどんなことに気をつけていますか。
WHO(世界保健機関)が発表した「COVID-19感染拡大中の成人への栄養アドバイス」(原文英語)によると、”バランスの良い食事をしている人は健康で、免疫力が強く、慢性疾患や感染症にかかりにくい”としています。
マスコミやネットなども盛んに「バランスの良い食事」が大事だと呼びかけています。
でも「バランスの良い食事」とはいったいどんな食事なのでしょうか?
今の自分の食事はバランスがとれているのでしょうか?
よく分からないですよね。
そこで今回は、「バランスの良い食事」とは何なのかを探っていきますね。
Contents
加工食品中心の食事はバランスが悪い!すぐに改めよう!
今回、「バランスの良い食事」について探っていく前に、「バランスの悪い食事」とはどんな食事なのかハッキリさせておきたいと思います。
それは「加工食品」をメインにした食事のことです。加工食品とは何かというと;
- インスタント食品、レトルト食品、冷凍食品
- スーパーやコンビニの総菜・カット野菜・弁当・おにぎり・サンドイッチ・総菜パン・菓子パン
- 市販の飲料全般、スポーツドリンク
- ファミレス料理、回転すし
など、どれも私たちの日常で馴染みの深い食品ばかりですよね。
しかし、冒頭で紹介したWHOの「COVID-19感染拡大中の成人への栄養アドバイス」では、感染を防ぐための免疫力を強めるために「加工食品ではなく、新鮮な食物を毎日食べること」と明言しています。
加工食品を食べているとウィルスに感染しやすくなり、栄養バランスが悪くなってしまうからです。
では何故、加工食品を食べていると栄養バランスが悪くなるのでしょうか?
加工食品には多種多様な食品添加物が含まれているからです。
食品添加物とは、防腐剤、香料、甘味料などの化学物質ですが、それらが体の糖代謝や脂肪代謝の機能を弱めてしまうからです。
そうすると食品の栄養が体に取り込まれなくなるので栄養不足になり、「栄養バランスが悪くなる」のです。
さらに悪いことには、糖代謝や脂肪代謝が衰えることで体に糖と脂肪が溜め込まれていくので太ってしまいます!
市販のドリンク類も加工食品です。防腐剤や人工甘味料が多量に使われているからです。
また、外食にも注意が必要です。
ファミレスの料理はレトルト食品を温めている場合が多いでし、回転ずしは腐敗防止のために次亜塩素酸が使用されているので胃の調子を悪くして栄養を取り込みにくくしてしまうからです。
ただし町の総菜屋さんでその日のうちに消費するよう作られた添加物の入っていない揚げ物以外のお惣菜ならOKです。
では、”食材を買ってきて自分で調理するのが一番安心なのかな?”と思いきや、調味料も加工食品ですから注意が必要です。
化学物質が加えられていない無添加の調味料を使用するか、昆布や煮干しなどから自家製の天然だしを作ってくださいね。
というわけで、もし日常のあなたの食事が加工食品中心になっているのだとしたら、すぐに改めて今日から自炊を初めてください。
「バランスの良い食事」=和食+生野菜+果物
答えから先に言いますと、「バランスが良い食事」とは、典型的な「和食」に野菜と果物を加えたものです。
典型的な「和食」とは日本の一般家庭で昔から食べられてきた一汁三菜(いちじゅうさんさい)をイメージしてください。
一汁三菜とは「ご飯」と「漬物」と「汁物」に加えて、三品の総菜(納豆、豆腐料理、豆料理、卵料理、刺身、肉料理、酢の物、煮物、焼き物など)が加わります。
これで結構栄養バランスがとれている感じはしますよね。でも、まだ不足している栄養素があるのです。
和食に不足している栄養素は、ビタミン、ミネラル、食物繊維。
そして、これらを補う栄養素がすべてそろっているのは、野菜と果物なのです。
というわけで、「バランスの良い食事」=和食+野菜+果物となります。
では、この組み合わせにはどんな栄養素がそろっていて、何故、免疫力を強めるのに良いのか詳しく説明していきますね。
和食は食物繊維と発酵食品で免疫力を強めてくれる
感染症学を専門とする東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎先生は、新型コロナウィルスにかからないためには、「腸内環境を整えることが大事」だとおっしゃっています。(出典:「新型コロナウィルス肺炎 インフルから身を守れ!」マキノ出版、2020年2月29日発行「安心」4月号臨時増刊、P.26-P.27)
そして腸内環境を整えるためには、食物繊維をたくさん摂ることと発酵食品を食べることを推奨しています。
食物繊維が豊富な食物とは、果物、野菜、豆類、海藻類などです。
発酵食品とは、納豆、ぬか漬けなどです。味噌、醤油、酢なども発酵食品の調味料です。
ですから、”豆腐とわかめの味噌汁に、ぬか漬けと納豆で玄米ごはんを食べる”というような昔ながらの「和食」が、まさしく腸内環境を整えて、ウィルスの感染から守ってくれているのです!
世界の他の国の感染者数と比べて日本人の感染者が比較的少ないのは、日本人が古来から食べていた食品のおかげであると考えても良さそうな気がしませんか。
和食に新鮮な果物と野菜を加えたら完璧!
”食物繊維と発酵食品が含まれている和食は、腸内環境を整えるので、免疫力を強める”ということが分かりました。
でも、和食では野菜を加熱調理しますし、果物を添える習慣が無いので、どうしてもビタミン、ミネラル、酵素が不足してしまいます。
免疫力をつけるために必要なのは「新鮮な食物を毎日食べること」です。
新鮮な食物とは、果物と野菜のこと。それらにはビタミン、ミネラル、酵素、そして食物繊維が豊富に含まれています。
したがって、和食に加えて、果物と野菜を生で食べれば、「バランスの良い食事」が完成するので、私たちの体を感染症から守ることが可能になります。
最後にもう一つ大事なことをお伝えします。
これは「バランスの良い食事」をとるために絶対に間違ってはいけないことなので、あえて「オキテ」と呼ばせていただきます。
果物と野菜は、和食より先に食べなければいけません。
この食べ順を守らなければ、「バランスの良い食事」による栄養が台無しにしてしまうからです。
それは何故なのか次に説明しますね。
食べ順の鉄則:1に果物、2に生野菜、20分後に和食
「バランスの良い食事」をとるための鉄則は、一番最初に果物を食べ、次に生野菜、そして少なくとも20分後に果物野菜以外の食品を食べることです。
この順番の根拠は、「消化にかかる時間」です。
果物はそれ自体が「消化酵素」を持っているので、胃の中で果物を消化する必要がほとんどありませんから20分程度で胃を通過して行きます。生野菜も同じで、すぐに消化して胃を通過していきます。
でも果物や生野菜以外の食べ物は消化するのに少なくとも2時間以上の時間がかかりますから、食べたものが2時間以上も胃の中にとどまるということになります。
ところで私たちは、”食後のデザート”という位置づけで果物を食事の一番最後に食べることを習慣にしていましたよね?
実はその順番が、果物の栄養を台無しにしてしまったのでした。
果物を食事の一番最後に食べた場合、胃の中にはまだ消化が終わっていない食べ物がとどまっていますから、果物はそこで待たされることになります。
しかし果物が胃の中でとどまっている他の食べ物と出逢った瞬間に、果物はたちまち酸化してしまいます。
そして他の食べ物が消化を終えるころには、酸化した果物はすっかり腐敗して、果物の持っている栄養分が台無しになってしまうのです。
ですから、果物は他のどんな食べ物よりも先に食べ、次に生野菜、そして20分以上置いてから、他の食べ物を食べることをオキテとして守っていただきたいのです。
まとめ
新型コロナウィルスの感染拡大はいつか必ず収束することでしょう。けれどもこのウィルスが完全に消え去ることは無いと思います。
そして今後も新たなウィルスが発生して、私たちの健康を脅かすことがあるかもしれません。
ですからこれからどんな感染症が発生したとしても自分の身体を守れるように、免疫力を強めることを意識して、日ごろから「バランスの良い食事」を心がけて行くことが必要です。
まずは、今の食生活から極力、加工食品を締め出しましょう。
そして「バランスの良い食事」=「新鮮な果物」+「新鮮な野菜」+「和食」をこの順番で食べていきましょう。
そうすれば免疫力を強めることができることに加えて、無駄に太ることを防ぐことができ、自然にスリムで健康な体になっていきますよ。
参考記事:「食事・栄養面からの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策 WHO」
参考文献